見えない世界。

六本木ヒルズのTOHOシネマで、MARVELの「アントマン&ワスプ」を観てきました。MARVEL映画を、座席が動くMX4Dで映画を観るのが好きなのですが、静かにじっくり観たい人には理解されにくいかもしれませんね。

人は知らないものや理解できないものに対して不安や恐怖、嫌悪感を覚えます。それらは自分の世界には存在していないものだからです。でも自分の世界にないだけで、他者の世界には確実に存在していて、それが当たり前である人々もいるのです。

例えば、病気になったことがない人には病気になった人の苦しみがわかりません。そもそも「病気」という概念がないでしょう。同じように、日本人は皆「肩こり」を知っていますし私のように慢性的な肩こりの人も多いですが、外国には「肩こり」という概念がないので、肩こりになったことがない人ばかりだというのは有名な話ですね。

インターネットなどの情報社会は目覚しい発展を遂げていますが、その情報を引き出して可視化するためにパソコンだったりスマホがありますね。それらが無くなったとして、目に見えなくともそこに「情報」が確実にあります。検索をかけて引き出したときに情報が「在る」と認識できますが、そうでない時にも実際には存在しています。この情報を扱うのが私が行っているノンバーバルヒプノセラピーですが、言語を使用しないということに懐疑的な方はなかなか理解できないもののようです。

同じように「私」という人間の存在は感じられますが、身体以外において感情や感覚を持っている、この心の方の「私」は説明のしようがありません。他者というのも確実に存在していますが、相手が何を考えているかを言葉以外で理解することはなかなか難しいですね。

いかに私たちは日常において、見える世界だけを信じているか。「自分の知っている世界」の中でしか生きていないか、ということです。それはとても狭い世界の中で、その世界の外には想像以上の広い世界があるのです。自分の常識は他人の非常識であると言われることがありますが、まさしくその通りで、十人十色の価値観が存在します。どれが良いとか悪いではなくて、そういう考え方があるのだと気づけた時に人は優しくなれるのです。

ソライロのカウンセリングやサポート時には、結構な頻度で「コミュニケーションを大切にしてください」とお伝えしています。言わなくても分かるだろう、察するべきだ、こんなのは当たり前だ、と言った考えは捨て去るべきです。自分以外の人間が、あなたの気持ちを知る術はないのです。同様に、お相手の気持ちも推測や想像で推し量らないことも大切です。なぜなら、その想像すら「自分が想像できる世界の中」というごく限られた範囲でしか作れないものだからです。相手を理解しようとする気持ちはとても大切なものですし、ある程度察することも大事ですが、自分の中のモノサシだけで測ってしまうことは非常に危険なことでもあります。常に自分が持っている価値観や固定概念の外側があるのだ、ということを意識して生活をしてみましょう。

お相手が何をしたいのか、何を考えているのか、何が大切なのか、ぜひ聞いてみてください。そして、自分のことも話してみましょう。コミュニケーションとは、お相手に興味を持ち知っていくことです。

自分には「見えない世界」そのものである他者を受け入れた時に、新しい世界が見えてきます。自分の世界をどんどん広げていってみませんか?